「神様のパズル」レビュー

 谷村美月の役である天才というのはやはり演じるのは難しいようだ。ただし、天才少女であり、人工授精で生まれた特殊な生い立ちに伴う孤独感は表現している。監督から、17才の女の子を意識するようにと指導されたそうだが、それが正解だろう。天才が最初から演技の引き出しに入っているとは思えないし。
 一方市原隼人が演じる喜一と基一の一人二役。一方は日本で、一方はインドでと。そのインドにいる必要性が見ていて希薄だったことを除けば、演技はよし。ただし、市原に頼りすぎている気がする。
 しかし、ポスターにある「ロックと物理で宇宙をつくれ!」ていうのは、何でロックなのか?その必要性は?と疑問符がつく。
 まあ、おちこぼれロッカーが、天才少女の孤独を溶かす。といえば、そうなのだけれど。
 もう一つ、気になったのが、市原隼人は不良ORあんまり頭良くないやつってイメージがつきすぎるのも良くないような・・・。
 原作は読んでいないのだが、どうやらおもしろいらしい。しかし、原作とはダイブ違った脚色がされているようだ。双子の設定は原作と同じと思っていたのだが、違うらしい。
 とはいえ、SFというと極端なCG映像に頼ってしまって中身が薄くなりがちだが、今回はせいぜい粒子加速器「無限」の映像くらいで俳優の演技が中心だった。
 評価は五段階で3。ラストがさわやかってのが救いかな。
 今回のレビューでは、下記のブロガーさんの記事を参考にさせていただきました。

http://blog.livedoor.jp/baron_na8c/archives/51534903.html :カノンな日々