クライマーズハイの情報

1985年に起きた日航ジャンボ機墜落事故を取材した地方紙の新聞記者を主人公にした人気作家・横山秀夫氏(50)のベストセラー小説「クライマーズ・ハイ」が俳優・堤真一(43)主演で映画化されることになった。メガホンを執るのは「突入せよ!『あさま山荘』事件」(02年)の原田眞人監督(59)で、2008年の公開を予定。横山作品の映画はこれまで「半落ち」「出口のない海」ともにヒットしており、今作も大きな注目を集めそうだ。

 1985年8月12日、日航ジャンボ機123便が墜落―。520人の命を奪った史上最悪の航空機事故を上毛新聞の記者として目の当たりにした横山氏が架空の地方紙を舞台につづったベストセラー小説「クライマーズ・ハイ」。原作は02年1月から別冊文芸春秋に掲載され、03年8月に発刊。直後から映像化のオファーが殺到し、05年12月にはNHKがドラマ化した。

 ドラマ版では佐藤浩市(46)が事故報道の全権デスクを任された主人公・悠木記者を演じ、社内上層部との確執やデスクとしての葛藤(かっとう)、父親としての苦悩といった複雑な感情にさいなまれる難しい役どころを見事に演じた。

 視聴率こそ前編7・4%、後編5・4%と振るわなかったが、墜落機を実名で描くという同局のドラマとしては異例の放送で話題を呼び、また共演の大森南朋(35)、新井浩文(28)らも好演。原作同様の質の高さが評価され、放送文化基金賞を受賞した。

 映画では、堤真一が主演を務めることが決定。そしてメガホンは原田監督。世間を震撼(しんかん)させた「あさま山荘事件」を映画化したことがあるだけに、今作も緊迫感あふれる映像に仕上がりそう。

 撮影は夏ごろからクランクイン。ニュージーランド・ロケも敢行。9月上旬にクランクアップ。08年中の公開が予定されている。

 横山氏の小説作品はこれまで「半落ち」(04年)、「出口のない海」(06年)の2作品が映画化。「半落ち」は日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞。「半落ち」(興収19億円)、「出口―」(同7・4億円)以上のヒットが期待される。

 ◆「クライマーズ・ハイ」 群馬県の北関東新聞のベテラン記者・悠木は同僚のクライマー・安西に誘われ、谷川岳に登る予定だったが、その日、御巣鷹山日航機が墜落。安西も謎の言葉を残して倒れる。事故の全権デスクを任された悠木は社内政治の泥沼に巻き込まれていく。「クライマーズ・ハイ」とは登山中、興奮状態が極限に達し、恐怖感までマヒした状態のこと。
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20071014-OHT1T00077.htm:スポーツ報知